essay 弾き手はいじけています
 おさらい会などで、「お上手でしたね」と聴き手が誉めると、出演者は身をよじらせながら「ダメー、ゼンゼンだめでしたー。あがってしまって、モー、、ウンぬん」と応える。おさらい会でしばしば見かける光景です。この対応は人前で演奏する者の心構えとして間違っているので、直さなければなりません。「ありがとうございました。これからもよろしくお願いします」。これだけで、いいのです。本当はもっと格好良く応えたいところですが、演奏直後の素人はコーフン状態でマトモに頭は働きませんから、これでいいのです。一方、誉める方も「よかったよ」だけでは、受け手も会話の続け様に困ります。上手な「誉め方」を修得して「よい素人音楽の聴き手」になりたいと思います。
 僕がよい聴き手になりたいと試している方法です。。
1)まず、プロの演奏を聴いて耳年増になった自分の音楽的基準を変える必要があります。演奏者は素人ですからヘタは当たり前、「誉めることがモクテキ」と心構えをします。
2)演奏を丁寧に聴きます。後で「何処が良かった」と言えるように、「いいところ」を聴き探して覚えます。悪いところは「忘れます」。
3)見つけた「いいところ」を格好良い誉め言葉に出来るように考えます。素人の技術は誉め難いですから総論的にまとめるようにします。「曲の構成をよく理解した知的な演奏だった」とか「サビの弾んだ気分が私には気持ちが良かった」等です。4)演奏が終わったとき精一杯の拍手します。弾き手が拍手する私に気づいてくれれば成功です。
5)そして誉めるタイミングを見計らい、さりげなく近づきます。
6)弾き手との会話になったとき、演奏の悪いところは「一切忘れてしらばっくれます」。これがポイントです。多くの素人演奏者は自分が失敗したところを言い募り懺悔します。そこに引き込まれてしまうと泥沼です。「そうでしたか、気が付きませんでした」と流します。
最後に「楽しく聴かせて貰いました」と言えると最高です。簡単そうで結構ムツカシイのです。
Smilly(^-^)Tama  平成10年です。おさらい会の常連になって、少し周りを見る「ヨユーが出来たこと」を表現したかったのかもしれません。